半導体式の温度計センサーの原理と特徴

温度計用のセンサーにはいくつかの種類がありますが、高精度で測定をしたい場合は試料に直接触れる接触式が用いられます。

一部の金属や半導体の電気抵抗は、温度によって大きく変化することが知られています。不純物を含む半導体は低温では自由に動ける電子が非常に少ないのでほとんど電気が流れませんが、温度が高くなると励起されて原子から飛び出すことで電気抵抗が小さくなります。半導体の電気抵抗は温度によって変化するという特性を応用したものが、半導体温度センサーです。ちなみに金属の場合は温度が上昇すると電気抵抗が高くなり、半導体とは逆の挙動を示します。半導体センサーを使用するの温度計は高価な貴金属を使用しないことから、価格が低いという特徴があります。これに加えて素子部分は温度に反応して抵抗値が大きく変化することから、高精度で測定することが可能になります。

素子に使用されている半導体は化学的に安定しているので、耐久性が高いというメリットもあります。ちなみに白金などを使用する熱電対は高温に弱く、空気中で使用すると短時間で金属部分が酸化して劣化してしまいます。半導体センサー式の温度計は高精度活耐久性が高いという特徴がありますが、デメリットも存在します。半導体は温度に対して抵抗値が直線的に変化しないので、温度計の本体に複雑な補正回路が必要になります。きちんとキャリブレーションをすれば高精度で温度測定ができますが、補正に問題があると系統誤差が生じてしまいます。

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